海外・遠方への転勤
こんなお悩みの方に
- 急に転勤が決まってしまった。
- 転勤で自宅を賃貸するか売却するか迷っている。
- 多額の住宅ローンが残っていて売ることも貸すこともできない。
転勤で海外や遠方に引越しする場合、気になるのは現在のお住まい。
貸すのがいいのか?売るのがいいのか?
数年で戻ってきてまた住むのであれば、空き家にしておくか、誰かに貸すかの選択になります。住宅ローンが残っていれば賃貸の家賃収入で返済することを考えます。しかし、安易に賃貸すると思わぬ結果を招くことがあります。賃貸のデメリットやリスクについて確認しておきましょう。
戻ってくる予定がないのであれば、売却を考えます。売却の際に一番問題になるのは住宅ローンです。売却しても多額の住宅ローンが残るため、売るに売れない悩みを抱える方がたくさんいらっしゃいます。このような問題の対処方法についても考えていきます。
自宅を貸す
転勤中に自宅を賃貸し、家賃収入が得られれば大きなメリットになります。住宅ローンが残っている場合も、高く貸し出すことができれば家賃収入でローンを支払いながら収入を得ることができます。住宅ローンは通常の借り入れよりも金利が安く、さらに近年の住宅ローンは非常に低金利のため、賢く運用することで十分な投資効果があるといえるでしょう。
ただし、自宅を貸し出すことのデメリットやリスクは十分に考えておく必要があります。
貸し出す前の心構え
もともと転勤になることを見込んで購入していた場合は問題ありませんが、やっと手に入れたマイフォームや、愛着のある大切なわが家を他人に貸すことは、非常に勇気のいる決断です。
賃貸物件として貸し出す以上、あくまで割り切って貸し出すことが大切です。他人が何年か住めば必ず損耗やキズ・汚れ等が発生します。いずれ戻ることをお考えであれば、その時は完全リフォームすると考えて貸し出しすれば気が楽になります。
物件はあくまで商品として考え、どうしたら借りる人が喜ぶかを考えて貸し出すことが賃貸の成功につながります。
空室・家賃下落のリスク
初めての賃貸であれば、不動産会社との打ち合わせ、賃料や条件の決定、管理会社の選定、リフォームやルームクリーニングの手配など、準備や手続きだけで非常に手間と時間がかかります。募集を開始しても、借りる人がすぐに見つかるとは限りません。人気のない物件の場合、募集を開始してから借主が見つかるまで半年以上かかることもめずらしくありません。借主が決まるまでの間は当然家賃収入がありません。住宅ローンを利用している方は、このような空室のリスクを十分に考えておく必要があります。
また、すべての借主が長く借りるとは限りません。いったん退去すると、次の借主が入居するまで家賃収入がストップします。借主がすぐ見つかれば良いですが、なかなか見つからない場合は、家賃を下げることも検討しなければなりません。入居希望者が見つかっても家賃交渉によって割引が必要になることもあります。
現在福島県では、空家物件が増加傾向にあり、賃貸住宅の供給戸数は需要数を大きく超えています。また、質が高くリーズナブルな家賃の物件が増加しているため、競争率が高くなり、従来からの希少価値の少ない物件は家賃を2~3割下げなければ入居者が決まらないケースがたくさんあります。特にここ数年の郡山では、人気のある物件と人気のない物件の二極化の傾向が顕著に表れています。
虎丸・神明町・清水台の高価格帯のマンションは、郡山駅などへのアクセスの良さ、モールなどでの買い物の便利さ、そして小中学校や高校などのお子様の環境を考えて希望される方が多く、また大手企業の法人契約にも非常に人気があります。この地域は以前と比べて全体の家賃相場は下がりましたが、比較的新しいハイクラスのマンション物件であれば、高い家賃でもすぐに入居者が決まります。
また地域に関係なく、ペットのことを考えて設計された物件、デザイン性のあるコンパクト設計の物件、車のインナーガレージのある物件など、設備にこだわった希少価値のある物件は、比較的高い値段でも入居者が見つかります。
このような人気がある物件に賃貸希望者が集中する一方で、郊外のマンションや人気のない地域の戸建物件は、空き家が目立ち、10年前に比べて家賃も非常に下がっています。
賃貸をお考えの場合は、将来の空室や家賃下落のリスクを十分認識した上で、安定した貸し出しができるように考える必要があります。賃貸の収支計画を立てる際は、年間で空室2カ月、家賃下落3%程度は想定しておいた方がよいでしょう。
不良入居のリスク
賃貸のもっとも厄介なリスクは、家賃滞納、契約違反、明け渡しの拒否などの不良入居の問題です。
不良入居の問題に対応するのは心理的な負担が大きく、高度なトラブルに発展した場合は貸主であるあなたが直接解決するのは難しいでしょう。不良入居問題にも責任をもって対処してくれる不動産管理会社に賃貸運営を依頼することで、このようなリスクを防ぐことができます。最近の不動産管理会社は、賃貸に関するさまざまなリスクに対応しており、このような不良入居者のトラブルから解放されます。
また、入居者は「いい人」ばかりではありません。入居者が近隣住民とトラブルを起こした場合、物件のオーナーであるあなたの対応が必要になったり、場合によっては責任が発生することも考えられます。特にマンションの場合は、騒音問題、階下への水漏れ、ベランダ利用のマナー問題、ペット飼育、無断駐車・駐輪など、さまざまなトラブルが発生しやすく、住民同士の傷害事件にまで発展するケースがあります。また、自殺や事件などが発生して、物件そのものの資産価値が下がったり、損害賠償を請求されるリスクもあります。
考えればきりがありませんが、少なくともこのようなリスクを認識し、信頼できる不動産管理会社と契約することや、損害保険に加入するなど万一のリスクに備えることが大切です。
原状回復のリスク
自宅を人に貸す場合、ある程度のキズや汚れは必ず発生します。
退去時には借主に対してキズや汚れの修復(原状回復)を求めることができますが、経年変化(時間の経過にともなって生じる損耗)や、通常の使用による損耗・キズ・汚れなどは、貸主が負担することが原則となっています。
借主の故意・過失や通常の使用方法に反する使用など、明らかに借主の責任によって生じた損耗やキズ等であれば、正当に借主に原状回復の請求ができますが、どちらとも言えないような汚れやキズは判断が難しく、原状回復の範囲をめぐってトラブルになるケースがあります。
国土交通省のガイドラインでは、従来から借主が負担することが慣例であったハウスクリーニング代なども貸主負担との見解になっています。退去時には壁紙の張り替えやハウスクリーニング、その他修繕費などで10万円程度の費用がかかることを想定しておいた方がよいでしょう。
管理費や修繕費などの必要経費
転勤により自宅を賃貸している方のほとんどは、不動産業者や管理会社などを利用しています。サービスの内容は各社さまざまですが、一般的には賃貸借契約、家賃の集金・送金、建物定期巡回、クレーム対応、解約処理・清算などがあります。空室リスク保証や家賃滞納の保証などのサービスもあります。これらのサービスの申し込み内容によって、委託費、管理費、サービス料金などがかかります。
物件を貸し出す前には初期費用として最低限のクリーニングや設備の修繕費が必要になります。
賃貸期間中には物件の維持管理の費用がかかります。通常使用による建物や設備の不具合・故障は、貸主であるあなたが修理費用を負担する必要があります。備え付けのエアコンや給湯器が故障した場合も、基本的に貸主の負担で修理する必要があります。
物件のこのような管理費や修繕費をあわせると、必要経費として賃料の20%~30%程度の費用がかかります。
親戚や知人に貸すときのリスク
気の知れた知人や親族の方に借りてもらえば、面倒な手続きや管理費を支払うことがなく、気持ちの上でも安心して貸し出すことができます。
しかし、親しいがゆえに、後々トラブルになるケースがあります。退去後に明らかな汚れやキズが見つかった場合も、親しい間柄でビジネスライクに原状回復費を請求できる人は少ないと思います。家賃を滞納したり、退去を待ってと言われたときも、損害請求や明け渡し要求をすることは難しいでしょう。
このようなリスクを考え、最低限の賃貸契約書だけは交わしておくべきです。
金利上昇のリスク
現在の住宅ローンが可変金利の場合は今後の金利上昇のリスクを考慮する必要があります。
ここ数年は固定金利でも非常に安い金利状態が続いています。現在の住宅ローンの金利が高い場合は、安い金利の住宅ローンに借り換えすることで、大きなメリットがあります。
借り換えローンをご利用になる場合は転勤前に手続きしてください。ほとんどの金融機関では、ご自身が居住していることを借り換えの条件としています。オリックス信託銀行など一部の金融機関では、転勤で賃貸している物件の借り換えを取り扱っていますので、現在すでに貸し出ししている方も借り換えをご検討ください。
住宅ローン減税はどうなるの?
現在住宅ローン減税を受けている場合は適用されなくなることに注意してください。住宅ローン控除は購入者が居住していることが条件になっています。第三者に貸し出ししている場合は適用されません。だだし、数年後に住居に戻った場合は再度適用されます。住居に戻る予定がある方は、転勤する前に税務署に届け出を提出してください。
金融期間に転勤の届け出を忘れずに
通常の住宅ローンはご自身の住居を前提としているため、融資を受けた住宅を第三者に貸して家賃収入を得ることは認められません。無断で住居を賃貸すると契約違反となり、ローンの一括返済を求められる場合があります。
転勤などの特別な理由がある場合には、例外として認めてもらえる場合がほとんどです。事前に金融機関に申し出をすることを忘れないでください。
自宅を売却する
ご自宅を売却する場合に一番相談が多いのは、住宅ローンに関する問題です。
ご自宅の住宅ローンが残っている場合、売却によって住宅ローンを完済できるかどうかがポイントになります。
住宅ローンの残高よりも高い価格で売却できる場合は何も問題ありませんが、住宅ローンの残高よりも低い価格でしか売却できない場合は残債を返済しなければなりません。
住宅ローンを借りる際に、担保としてご自宅に抵当権が設定されています。ご自宅を他人に売却するためにはこの抵当権を抹消しなければなりませんが、抵当権を解除してもらうには住宅ローンを全額返済する必要があります。住宅ローンの残債を完済できない場合は「売りたくても売れない」ということになります。
売却しても住宅ローンが残るときの4つの解決方法
ご自宅を売却しても住宅ローンが残る場合の解決方法についてご紹介します。
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残高を自己資金で支払う
預貯金など手持ちの資金が用意できるかたは、自己資金で残債を一括返済します。一番望ましい解決方法ですが、お手持ちのお金を使い果たして今後の新生活に支障がでないように注意してください。
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住み替えローンを利用する
転勤先で新たに住宅を購入するのであれば、住み替えローン(買い替えローン)の利用を考えます。住み替えローン(買い替えローン)を利用すれば、現在の住宅ローンを一括で完済して新たに住宅ローンを組みなおすことができます。
また、住み替えローンではなく、別に新しくローンを組み、新住宅の購入資金以上の金額を借りて旧ローンを返済する方法もあります。
現在の住宅ローンは非常に低金利のため、新しいローンに借り換えることは十分メリットがあります。総返済額が変わらない範囲で新居の買い替えが実現できることもあります。
一方で、新しい住宅の購入代金と共に、現在の住宅ローンの残債を借り入れることになるため、さらに売却損を招く状況になることも考えられます。
今後のライフプランや不動産市場の状況などを十分考慮した上で、住み替えや借り換えを検討してください。
住み替えローンや買い替えローンを借りるためには、金融機関による所定の審査があります。審査に通るかどうかは個々の事情により異なりますが、審査自体に一カ月以上かかることもありますので、早めの相談と行動が大切です。 -
当面は売らないで賃貸する
住宅ローンを完済できる状況になるまで、賃貸物件として貸し出す方法もあります。
高い値段で賃貸できる場合は、家賃収入でローンを支払いながら繰り上げ返済などで早期売却を目指すことも考えられます。 -
任意売却を利用する
「売却しても住宅ローンが残る。賃貸に出してもローンを返済できない。」
同じ悩みをお持ちの方がたくさんいらっしゃいます。
転勤が決まっているのに、売るにも売れない、貸すにも貸せない。
そんな場合は任意売却を検討してください。
任意売却とは、住宅ローンを返済することが困難な場合に、金融機関などの債権者の合意のもとにお住まいを売却することです。住宅ローンが完済できない場合も抵当権が抹消されます。残債は基本的に返済する必要がありますが、交渉により支払える範囲での返却スケジュールになることがほとんどです。
先が見えないまま頑張っても、明るい将来は見えてきません。
転勤後の新しい生活を前向きな気持ちで始めるために今すぐ行動してください。
「もっと早く相談すればよかった・・・」
多くの相談者が口にする言葉です。
不動産買取センター郡山店では、あなたのご事情や希望を最大限に考慮し、満足のいく解決方法を提供するように心がけています。悩んでいても問題は解決しません。早めに相談してください。
転勤に関するQ&A
- 転勤になり、マイホームを賃貸か売却かで悩んでいます。
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賃貸がよいのか、売却がよいのか、誰もが悩む問題です。賃貸したときのメリット・デメリット、売却したときのメリット・デメリットを自分に当てはめて、しっかり考える必要があります。
- 住宅ローンが残っているのかいないのか?残っている場合はいくらなのか?
- 将来戻ってくる予定があるのかないのか?戻ってくる場合はいつなのか?
- 売却したときはいくらで売れるか?
- 賃貸した時の需要の見込みは?
このように、あなたの状況、物件の状態、市場予想などを踏まえて総合的に判断していきます。
賃貸をおすすめするのは、物件に希少価値があり長期的な資産運用が見込める場合、そしてどうしても戻ってきて住みたいと考えている場合です。それ以外の場合、通常は売却をおすすめします。ご自宅を賃貸して満足されている方はあまり多くありません。まして多額の住宅ローンが残っているのであれば、売却できるときに売却するべきです。現代の日本では不動産を持っているだけでは資産になりません。あなたが不動産運用についてしっかりとした知識と意志をお持ちであればよいのですが、長期に渡り不動産を資産運用していくのは大変なことです。
不動産売却センター郡山では、ご相談内容に応じてさまざまな視点から分析し、あなたが「どうすべきか」をご提案いたします。最終的に、あなたが「どうしたいのか」で決断してください。
- 転勤の間は自宅を賃貸したいのですが、管理をお願いできますか?
- 賃貸物件の管理もお任せください。弊社の賃貸部門はエイブル加盟店であり、多くの賃貸物件の管理実績があります。安心してお任せください。
- 急に転勤が決まったのですが、すぐに自宅を売れるでしょうか?
- お急ぎであれば、弊社買取にて売却できます。通常は1週間程度で手続きが完了します。
高く売りたい場合は、仲介による売却をご検討ください。買取保証を付けて販売することもできます。
- 海外に居住中ですが自宅の売却をお願いできますか?
- 安心して売却をお任せください。連絡は主にメールを使用し、必要最小限の手続きとやりとりで売却いたします。
印鑑証明(またはそれに代わるサイン証明)などの必要書類は、現地の領事館などで取得していただきます。
なお、海外に居住中の場合、売却条件や居住状況によっては10%相当の源泉徴収が必要となります。この場合は売却時に90%相当の売却金をお受け取りいただき、確定申告をすることで源泉徴収された金額が清算されてもどってきます。
転勤による賃貸・売却のご相談・お問い合わせ
転勤によるご自宅の賃貸・売却は個々の状況や事情により最適な方法が異なります。不動産買取センター郡山店の専門スタッフが、お一人おひとりに合った的確なアドバイスと心のこもったお手伝いをさせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。